カウンセラーはストレス・マネジメントが上手だと思われる方も多いかもしれません。
確かに専門家としての知識はありますが、私も生身の人間なので、人並みにストレスを感じ、心が折れそうになることがあります。例えば、よくあるのはこんなパターンです。
・時間的に忙しくなり、リラックスする時間がとれなくなった
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・身体がつらくなってきたら、精神的にも余裕がなくなってきた
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・ストレス耐性が下がり、ネガティブなものをまともに受けやすくなった。
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・心が折れそうになった
心が折れそうになっているとしたら、それはかなり弱っているということ。そんなときは、徹底的に自分ケアすることをおススメします。
そこで私がどうやって対処しているかをご紹介します。
まず、ストレス対処の3つのR(Rest→Relaxation→Recreation)に従って、休養(Rest)に努めます。外出は必要最低限に留め、無理な仕事の引き受け方もやめて、できるだけうちでゆっくり過ごし、エネルギーを充電します。
*外出は弱っているときの気分転換にはなりません。気晴らしにはある程度のエネルギーが必要です。
次はリラクセーションです。
リラクセーションとは、本来カラダをほぐすことによってココロをほぐすこと。
私はストレスが首・肩・背中に出やすいので月に1回くらいのペースでボディケアを受けていますが、弱ったときは凝りがひどくなるので頻度を上げます。(*今は予防的に毎日家で体操をしています)
また、カラダと同時並行でココロのケアもしてあげると相乗効果が期待できるので、泣きたくなったらがまんせず思いっきり泣くようにします。涙には浄化作用があるのですが、弱っているときはしばらく泣いていないことも多いので、意識的に泣けるビデオなどを観て敢えて涙を流すこともあります。
どんな感情もアウトプットが大事です。特にネガティブな感情は、溜めこまずに上手に出していくことがとても大事です。自分なりのいい方法をぜひ見つけてください。
また、弱っているときはマイナス思考で妄想モードに陥りやすいので、なるべく考えすぎないようにします。
妄想が始まったら気づいた時点でやめて、何が嫌なのか紙に書き出します。悪口でも何でもいいから思いつくままアウトプットします。
そうすると、だんだんと今の問題が冷静に見えてきます。
最初はなんとなく凹んだ気持ちだったのが、だんだん「何が気になっているのか」「何をどうしたいのか」「誰にどうしてほしいのか」など、自分の問題がわかってきます。
そうしたら、それらを整理して、自分でできることはやればいいし、誰かにお願いや相談をすべきことならすればいい、となってきます。(この過程をカウンセラーに手伝ってもらうと効果的です)
解決に向けた新たな行動を起こすには勇気や覚悟が必要です。しかし、今まで問題の核心を避けてやみくもにもがいていたか、現状に甘んじていたかだったためにこんなストレスフルな状態に追い込まれたのですから、悪循環から脱したければ、覚悟を決めて問題に向き合い、解決に向けて自分で動くしかありません。
行動を起こすときにくじけそうになったらこれを自分に何度も言い聞かせてあげてください。
「またあんな思いをしてもいいの? もう嫌だよね。だったら、ああならないように今ちょっと頑張ろうよ」と。
私の場合、ストレスフルな状況に陥ってしまうのは、ほとんど面倒くさがって問題を先送りにしたことが原因です。たとえば、違和感があったのに言わないで流してしまうと、後でたいてい問題化します。
言いにくいことを言うのは勇気がいります。しかし、先延ばしにすればするほど後でもっと面倒なことになることを何度も経験したので、被害を最小限にするために、なるべく早めに頑張って話すようにしました。それでもたまに言えないこともありますが、結局、後で話をせざるを得なくなり、「やっぱり早く言えばよかった」と反省します。この積み重ねで、私のストレスはかなり減りました。
こんなふうに、心が折れそうになったときというのは、誰かとのコミュニケーションがうまくいっていなくて、自分の気持ちや考えを正直に伝えきれていないことが多いのではないかと思います。
だったら、この際思い切って正直な気持ちを伝えてみましょう。
そのためには準備がとても大事です。まず、自分のネガティブな気持ちと相手に望んでいることを紙に書きだしきちんと整理します(これをアサーションといいます)。自分の気持ちを伝えるときは、相手にわかってもらえるようにどう伝えるか準備してから話さないと意味をなしません。感情的に言いたいことを訴えても徒労に終わるだけです。
また、他人は関係なく、自分のための行動ができていないために弱っているケースもあるでしょう。
たとえば、仕事やプライベートで不当な扱いを受けているのを我慢しすぎているということはないですか。
明らかにハラスメントなのに、サンドバッグのように被害を受け続けている人は少なくないのですが、ハラスメントは犯罪ですから、この場合は逃げることが問題解決のための行動です。我慢するということは、問題の核心を見ないようにしているだけでなく、犯罪を受け入れ、加害者と一緒になって自分でも自分を傷つけていることになります。もし、今被害にあっている人は、すぐに信頼できる第三者に相談してください。
自分の望みを叶えるために建設的な行動をとる、これが大事なポイントです。
そして、何か行動したら、結果はともあれ行動したことを自分でほめてあげましょう。ちゃんと言葉にして「よく頑張ったね」などとねぎらってあげましょう。また、自分に何かちょっとしたごほうびをあげてもいいと思います。例えば、いつも食べない何かを買ってみるとか、かわいい雑貨を買ってみるとか、家事をちょっとサボってのんびりするとか、何か小さな贅沢を自分に許してあげましょう。
ただし、くりかえしますが、行動を起こすにはエネルギーが必要ですから、心が折れそうなほど弱っているときは、エネルギーが充電できるまでしっかり休むことが最優先です。むやみに動くのはやめて、まずは、ゆったりのんびり休みましょう。それは「怠け」でも「サボり」でもありません。罪悪感は百害あって一利なし。堂々と休みましょう。
心身が充実していなければやる気も出ません。気合いでやる気は出せません。ココロもカラダも弱っているときは休養が基本。充電できれば自然にやる気もでてきます。(骨が折れたときも、安静にして骨がついてからリハビリです)
弱っているときこそ、やさしくやさしく自分を甘やかして、自分だけは自分を大事にしてあげてください。
あなたをいちばん大切にできるのはあなた自身だということをどうか忘れないでくださいね。
穏やかな日々を送るために、ひとりでは切り替えが難しいときはカウンセラーによるサポートを受けてみませんか。
ご一緒にあなたの問題を考え、整理して、納得のいく解決法を提案いたします。