あなたはひとりでいられますか。
日本人は、ひとりというと否定的にとらえることが多いようですが、孤立(ロンリネス)と孤独(ソリチュード)とはまったく違います。
前者が他者から疎外された寂しい状態であるのに対し、後者は、自分自身と深く関わり合っているとても濃密な状態です。
人間関係とは、対他人との関係である前に、対自分との関係です。
自分に向き合えないひとは、他人にも向き合えません。
自分に向き合うということは、自分自身を知り、いいところも悪いところもすべて受け入れるということです。
具体的には、自分はどんなことが好きで、どんなことが嫌いで、どんなことに感じやすく、どんなことを望んでいるのか、どんな考え方をする傾向があるのか、などを知るということです。
そのためには、ひとりっきりの時間と場所が必要です。
たとえわずかな時間でも、自分のココロの声に耳を傾けるかどうかで、人生の深みがまったく違ってきます。
ひとりの時間とは、本来の自分を取り戻す時間のことです。
日頃どんなに忙しくても、忙しければなおのこと、ひとりの時間がどれだけ貴重なものかおわかりいただけると思います。
人間関係は、何よりも自分との関係が基本です。
自分と仲良くなれれば、恋人と2人っきりで過ごしたいと思うように、ひとりの時間がないと息苦しく感じられるようになります。
ひとりの時間というのは、とても贅沢な時間です。
決して、孤独で寂しい時間ではありません。
自分と対話ができれば、ひとりの時間というのは、とても充実した楽しい時間になるはずです。
普段、押さえている不満や愚痴や悪口など、自分との対話なら、誰に何を遠慮することなく言いたい放題言えます。
人づきあいのなかで抑圧している感情は、ときどき自分ですくい上げて、吐き出させてあげないと、そのうち爆発してしまいます。
ココロの声は、いつもあなたとおしゃべりをしたがっています。
どうぞ、その声を無視せずに、ちゃんと聴いてあげてください。
本当の気持ちをいちばん素直に話せるのは、自分自身に対してです。
なぜなら、自分自身だけは、絶対に自分を見放さないとわかっているから。
また、いろいろなアイディアやインスピレーションは、ひとりでいるときに湧いてくるものです。
創造的なものは、ひとりでいる時間に生み出されるものではないでしょうか。
自分のココロの声を聴くということは、自分を大切にしているということでもあります。
自分を大切にできるひとは、他人からも大切にされます。
自分を大切にできないひとは、他人に対して無意識に「私は大切じゃありません」というメッセージを発してしまっていることが多いので、他人から大切にされにくくなります。
また、他人を大切にすることも上手くできないので、人間関係にトラブルが起こりがちです。
特に、他人との距離感は、自分自身との距離感がうまくとれないひとにとって、最も難しいことの一つです。
快適な距離感がつかめないために、近づき過ぎたり遠慮し過ぎたりして、悪意はないのに、トラブルになってしまうのです。
ひとりでいることに慣れていないと、初めは苦痛を感じるかもしれません。
寂しくてしかたないかもしれません。
でも、「ひとりでいられる力」は生きていく力です。
どんなに偉いひとでもどんなに友達が多いひとでも、最後に死ぬときはみんな1人です。
休みの日に、予定を埋めなければ気が済まないひとはちょっと気をつけて。
ときには、わざと空白の時間をつくってみましょう。
その時間は、電話もメールもしないようにします。
できれば電源は切るようにして、その時間だけでも携帯のことは忘れてください。
30分、カフェでお茶をするだけでもOK。
慣れてきたら、ひとりで映画などはいかがでしょう。
ひとりドライブも自分と向き合うにはオススメです。
運転中は、独り言も言いやすいですよね。
日帰りでも泊まりでも、ひとり旅は、自分を見つめるには絶好の機会です。
きっといろいろな発見があるでしょう。
ひとりの時間を楽しめるようになれば、2人でも3人でも大勢でも、今まで以上に楽しく過ごせるようになります。
そういうあなたの周りには、不思議とひとも集まってきます。
自分を大切にできるひとは、他人を大切にすることができ、ひとりで楽しめるひとは、他人とも楽しめるようになります。
まさに、いいこと尽くめ。
ひとりでも幸せ、誰かといるともっと幸せ、そんな豊かな人生を送りたいものです。
穏やかな日々を送るために、ひとりでは切り替えが難しいときはカウンセラーによるサポートを受けてみませんか。
ご一緒にあなたの問題を考え、整理して、納得のいく解決法を提案いたします。