この頃、「やる気が出ない」というお悩みが非常に多いと感じます。
やる気が出ないときは、かなり疲れているストレスフルな状態なので、まずリラックスを心がけましょう。
やる気が出ない自分を叱咤激励して無理にやる気を出そうとしても、残念ながらやる気は出ません。エネルギーがすり減っているのだから、弱った自分を労ってあげる、しっかり充電してあげることを何より優先すべきです。
「やる気が出なくてパフォーマンスが落ちているときにゆっくり休むなんて」と真面目な人ほど怠けているように感じて抵抗しますが、そう思うこと自体、既にかなりよくない状態だと自覚すべきです。
弱っている心身にむち打って頑張ってもその割に成果は上がらず、ますますココロとカラダは疲弊します。はっきり言って、エネルギーの無駄遣いです。焦って空回りの悪循環に陥らないよう、なるべく早く思考パターンを切り替えましょう。
電池が切れそうになっているときは、まず充電。これに罪悪感を覚える必要はありません。充電しなければ集中力も生産性も上がらないんですから。
とはいっても、真面目な人はなかなかゆっくり休むことができないものです。しかし、もし業務に支障をきたすほどに弱っている場合は、病院で診察を受ければ恐らく負荷軽減や休養を要す旨の診断書を書いてもらえますから、それを会社に提出して、一時的な負荷調整(残業禁止など)や休職などの配慮をしてもらってください。あえて厳しいことを言いますが、業務に支障をきたしてまで頑張るのは、かえってまわりに迷惑がかかるということをどうぞお忘れなく。
まだ仕事に支障がでていなくても、胸に手を当てて「ホントは少し休みたい」と思われる状態ならぜひ病院へ行って医師の診察を受けてみてください。早めの手当てがいちばんです。
とにかく、やる気が出ないときはまず充電する必要があるということを知ってください。気合いでやる気は回復しません。怠け者だからやる気が出ないのではありません。エネルギーが枯渇しているのです。(*真面目な人ほど自分を怠け者だと言い張ります)
また、やる気が出ないときは「~ねばねらない」という義務感に追いつめられていることが多く、本来その人らしくあるための「~したい」、「~ありたい」を忘れてしまっていることがとても多いものです。
「あれもしなきゃ、これもしなきゃ。でも何もできてない。どうしよう。」これがやる気が出ないときの典型的な精神状態ではないでしょうか。
こんなふうに焦りや不安ばかりを感じていたら、やる気など出るはずがありません。やる気とは、無理に引き出すものではなく、自分のなかにエネルギーがあれば自然と湧いて出てくるものです。そして、エネルギーを溜めるには、まずしっかり休んで、それから自分が本当にしたいことをして自分を喜ばせること、自分を自分で満たすことが必要なのです。
ところが、やる気が出ないと悩んでいるとき、弱っているにもかかわらず休まずジタバタして、より消耗させてしまう人のなんと多いことか。弱っているときしたいことは「ゆっくり寝る」「何も考えずボーッとする」など、自分をいたわることのはずです。そんな自分の欲求(本能)に罪悪感は要りません。その欲求を叶えてあげることが結局はやる気を出すことにもつながるのです。
したいことというのは、必ずしも何か成し遂げるような立派なことでなくてかまいません。疲れているときはゆっくり休むことでしょう。元気なときは活動的になってあれこれしたくなります。そのときどきに自分が本能的に望むことでOKです。他人や世間の目を気にする必要はありません。
仕事ではどうしても「~ねばならない」が多くなってストレスを感じるものなので、バランスをとる意味でも、プライベートでは意識的に「~したい」「~したくない」という自分の欲求を叶えてあげるようにしましょう。
仕事では我慢しなければならないこともありますが、プライベートは本来自分の自由にしていいはずです。嫌なことは無理にしなくてもかまいません。本当に疲れていたら家事もときには休んでエネルギーの充電を優先させましょう。
自分の欲求に従って過ごすことは自分を喜ばせることになります。自分が満たされれば自信もつきます。そうすれば、自然にやる気も出てきます。
どうぞやる気が出なくて悩んでいる方は、これ以上自分に厳しくなるのはやめて、今からできるだけ自分をやさしくケアしてあげてください。今あなたはとても弱っています。今は忘れてしまっているかもしれませんが、誰にでも必ず本当はしたいこと、したくないことがあるはずです。気持ちがいいと感じる時間や空間があるはずです。それをみつけてやってみましょう。それがいちばんの特効薬です。
*追記:この頃、やる気がでない方は「がまんしすぎ」なのではないかと思って尋ねてみるとほとんどの方が大きく頷かれます。もし今がまんしすぎていると感じる方は、やらなければいけないと思っていることの一つでも手放せないかどうか考えてみてください。一人で難しいときはご一緒に考えましょう。報われないがまんは勇気をだして手放しましょう。
穏やかな日々を送るために、ひとりでは切り替えが難しいときはカウンセラーによるサポートを受けてみませんか。
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