「自分でコントロールできること・できないこと」
ご相談を受けていてよくあるのは、自分の力でコントロールできることとできないことがゴチャゴチャになっていて、できないことをなんとかしようとしてストレスを感じてしまっているというケースです。
まず、あらゆるものをコントロールしようとするのは無理なので、それはあきらめましょう。ものごとすべては自分の思い通りにはなりません。
次に、他人と過去は変えられないということを何度も自分に言い聞かせましょう。
しかし実際には、変えられないはずの他人や過去に執拗にこだわって自分で自分の気分を悪くしているもったいない人がとても多いと感じます。
「あの人にこうなってもらいたい」
「あの人がこうしてくれれば・・」
「どうしてあの人はわかってくれないのだろう」
等々、こうしたストレスを感じているとき、あなたはできないことをやろうとするコントロールの罠に囚われてしまっていると言っていいでしょう。
もしそんな自分に気づいたら、どうぞ自分に問いかけてみてください。
「できないことをやろうとして消耗することと、できることをやって清々しい気分になることのどちらを選ぶのか」と。
そして、この場合できることというのは、自分を変えることと環境を変えることです。
他人を思い通りに変えることはできなくても、自分のことなら変えられます。
また、問題になっている相手の考え方や言動を変えることができなくても、その相手との状況や環境を変えることは可能です。
今まで「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分だけ。」とお伝えしてきました。でも、自分を変えることって、とっても難しいですよね。(だからこそ、もっと難しい他人を変えることはできないんですが)
そして、真面目な人ほど「自分を変えなきゃ」→「変えられない自分はダメな人間だ」という罠に陥りやすくなってしまいます。
そこで、「環境も変えられる」です。
自分を変えるということを今までの自分を否定することだと思いこむとさらに苦しくなってしまいますし、考え方を変えるといってもひとりではなかなかうまくいかず、自己嫌悪に陥りやすくなるという危険性があります。
そんなふうに自分を追いつめて八方塞がりになってしまいそうなとき、ぜひやっていただきたいのが、「どうしたらこの環境を変えられるだろうか」という視点で現状を見直すことです。
誰でも弱っているときはココロの視野も狭くなって一つの見方しかできなくなってしまいがちですが、そんなとき有効なのが、別の視点で考えるようにすることです。
ここで相手の立場になって考えられれば理想的ですが、せめて現実的な対応として、相手との関わり方をもう少しソフトなものに変えられないか、具体的には物理的に距離を置くにはどうしたらいいかを考えるのです。
そうすれば、自分の考え方というよりは行動を変えるということに考えが向いて、考え方を無理に変える苦しみから解放されます。
そして、具体的に「ああしよう」「こうしよう」「○○さんに相談してみよう」など自分の外側に向けてさまざまなアイディアが浮かびやすくなるのではないでしょうか。
自分が快適でいられる環境をつくることはわがままではなく、これが自分を大切にするということです。
コンディションがよければ生産性もあがります。どうぞ堂々と環境調整をしてください。
環境調整ができるようになると、気持ちに余裕もできて、相手のことも冷静に考えられるようになります。
そうすると、それまで自分が被害者だとばかり思い込んでいたけれど、実はその人自身が満たされない可哀想な人なのかもしれないと考えられるようになるかもしれません。さらに、その人の問題は自分には変えることのできないものだから私には関係ない、と切り離して考えられるようになればしめたもの。このとき、あなたは行動を変えたことによって考え方も変えられたことになります。
どうぞイライラしてしまったときは、その原因が自分で変えられるものなのか、無理なものなのかをまず区別し、できないことなら「仕方ない」と思い切って手放す努力をしましょう。
努力はしたぶんだけ必ずいい変化が起こります。いつも楽しそうな人は、陰で必ずこうした努力をしています。
できることとできないことの区別をつけて余計な執着を手放すことができれば、精神的にとてもラクになります。
イライラが減れば、その分ワクワクがやってきます♪
少しずつ少しずつ、コントロールできないものを手放してハッピーを手に入れましょう。
穏やかな日々を送るために、ひとりでは切り替えが難しいときはカウンセラーによるサポートを受けてみませんか。
ご一緒にあなたの問題を考え、整理して、納得のいく解決法を提案いたします。